2012年03月13日

欠席判決

 被告として提訴された民事訴訟において、被告が口頭弁論期日の出頭の適式な呼び出しを受けながら、口頭弁論期日に出頭せず、かつ、原告の請求を争う趣旨の答弁書を提出しなかった場合、原告が訴状において主張している事実を自白したものとみなされ(民訴法159条3項、1項。擬制自白)、原告の請求どおりの原告勝訴の判決が第1回口頭弁論期日において、あるいは1週間後くらいに指定された判決言渡期日において言い渡される、いわゆる欠席判決がなされることになります(公示送達による呼び出しを受けた場合を除きます)。
 訴状を提出する段階で、裁判所において「訴状審査」というものがなされますが、それは形式面の審査や欠席判決をするに足りる要件事実の記載があるかどうか等を審査するのみであり、訴状に記載された請求の原因が証拠に照らして認められるかどうかまでを審査するものではありませんので、被告側で言い分がある場合は、訴訟において自ら積極的に主張しなければなりません。
 そして、金銭の支払請求や建物の明渡請求等においては、多くの場合、仮執行宣言といって、判決が確定する前でも強制執行をすることを認める旨の判決が言い渡されるため、控訴して強制執行を阻止するためには、控訴とともに強制執行停止の申立てをして、強制執行停止の決定を得なければなりませんが、そのためには相当額の担保(法務局へ供託)を積まなければなりません。
 したがって、裁判に出頭しようと思っていたものの、うっかり裁判の時間を勘違いして欠席したり、突然訴状が届いてどうしてよいか分からないうちに裁判の日が過ぎてしまったような場合は、取り返しのつかないことになりかねませんので、注意が必要です。
 突然、訴状が届き、自分にも言い分があるがどうしたらよいか分からない場合、今後どのように手続が流れていくか分からない場合などはとにかく弁護士に相談してみることをお勧め致します。
                                      弁護士 竹薮豊
posted by tech at 08:43| Comment(0) | 日記
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